パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます

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　１１月に日仏同時発売したわたしの『雪月花』。

　発売当初はほとんど反応がなく……
　店頭では売れ残り、ネット販売も振るわなかった。

　まあ、考えれば当然の結果ともいえる。
　ただでさえ、クリスマス商戦で各メーカーがしのぎを削るこの期間。
　テレビCMや新聞広告、大量のポスターなど、多大な宣伝費がかけられる他社に対抗できるわけがない。

　ふたりとも、一時はジャンへの敗北を覚悟した。
　ルイは会社を辞めることを考えて、辞表を書きはじめたほど。

　そんななかでソフィアさんだけはあくまで強気だった。
　
「まあ、見てなさい。来週には流れが変わるから」
　
　そして、本当に流れが変わった。
　火つけ役はソフィアさんが仕掛けた動画広告。

「本当に便利な世の中になったわよね。かつての何千分の一の経費で世界のいたるところに発信できるのだから」