パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます

4・ラベンダー香る教会にて

 翌年の6月。
 わたしたちはプロヴァンスの教会で結婚式を挙げた。
 
 その、こじんまりとした教会が立つ丘の下には、見渡すかぎりラヴェンダー畑が広がっている。
 今、まさに満開の時期を迎えていた。

 ラヴェンダーが咲き誇る6月、ジューンブライドになること。
 これも長年思い描いてきた夢のひとつだった。
 
 ドレスはもちろん『アンジュ・ルグラン』のクチュールメゾンでオーダーした。
 
 素材は上質ながら、シンプルなデザインのウェディングドレスを身にまとい、首にはルイのお祖母様から譲り受けたパールのネックレスをして、わたしは結婚式に臨んだ。

 ルイはシルバーのフロックコート。
 上背のあるルイに、丈の長いこのシルエットはとてもよく似合う。
 
 どこからどう見ても王子様。
 それ以外の何者でもない。

 
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