パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます

３・パリに行きます！

「ああ、ベルナルドさんから聞いたのか。そうなんだ。本当の話だよ。面目ないがね」

　その夜、晩酌のビールを手にしているパパに借金のことを問いただした。
「おーいママ、ツマミはまだかい？」

　ちょっと、パパ呑気すぎるんじゃない！？
　倒産しかかってるんでしょ！
　
「数年前に観光地の和服レンタルに手を伸ばしただろう？　あれが上手く行かなくなってな。投資で埋め合わそうとして、それがまた失敗してね。焦げ付きそうなんだよ」

「なんで、わたしにその話をしてくれなかったのよ」

「おまえにそんなこと言ってみろ。借金の形(かた)に娘を売るつもりかって、ギャーギャー騒ぐだろうが」
「まあ、そりゃそうだけど……」