パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「でも、パパがこの話に乗ったのは、お相手のベルナルドさんが立派な方だからだよ。いくら望んだって、あれほどの人物との結婚なんて、できるもんじゃないぞ。あちらから話をいただいたときは、祖父さんにどれだけ感謝したか」
 そう言って、パパはわざとらしく仏壇の間のほうを向いて手を合わせた。

 そこに、枝豆を手にしたママもやってきた。

「そうですよ。パパもママも薫ちゃんの幸せを願って、このお話をお受けすることに決めたのよ。お相手がよぼよぼのおじいさんとかだったら、もちろんお断りしたでしょうけど、あんな素敵な方ですもの。あなたが嫌がるなんて思ってもみなかったわよ」

 パパはテーブルにコップを置くと、わたしに頭を下げた。
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