パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
***

「薫、あんたいったい、前世でどれだけ徳を積んだのよ」

 翌日、学校で、小林〝イケメン好き〟楓に昨日のことを話した。

「ルイ・ベルナルドって、パリコレモデル級イケメンの大富豪の御曹司でしょ?」

 説明する前から、楓は彼のことを知っていた。
 本屋でたまたま、彼が表紙になっていた経済誌をみつけ、思わず買って記事を熟読したらしい。

 さすが、だてに〝イケメン好き〟を自称しているわけじゃないな。
 守備範囲、無限大。


「ねえねえ、どんな人だった? 彼」
 興味深々の顔だ。
 相談する相手を間違えたかな。

「とにかく、ものすごい自信家。世の中の女はみんな自分に(なび)くと思ってる感じ」

 というのは第一印象で、後からはちょっと変わったけど。
 でも、話がややこしくなるから、今は話すのやめとこう。
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