パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「なんか、一生懸命勧めてない?」

「ははっ、バレた? だって、薫が結婚したら、間近であのプリンスの御尊顔を拝めるじゃん。絶対、結婚式には呼んでよね」

 結婚式って……

「楓。ちゃんと話聞いてた? だから結婚するつもりはないって」
「無理、無理」
 楓は大げさに顔の前で手を左右に振った。

「いやー、無理でしょ、それは。あんなイケメンの傍にいて好きにならないはずがないじゃん。それに、正真正銘の許嫁なんでしょ? 彼みたいな人と結婚できるチャンスをみすみす棒に振るなんて、薫、ほんとどうかしているって」

「わたしはお膳立てされた結婚なんてイヤなの! それに金髪碧眼のフランス人と恋に堕ちるって決めてるの」
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