パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 さらに彼の不思議な魅力に色を添えているのは、淡いグリーンの瞳。
 いわゆるヘイゼルカラー。
 日本語で言えば(はしばみ)色。
 カラコンかな?
 だって日本人だよね。
 発音、完璧だし。


「薫っ!」
 
 彼に見惚れていたら、向こうからパパの声が。

「かおる? じゃあきみが久世薫?」

「えっ?」
 なんでわたしの名前を知ってるの?
 でも今は悠長に、そんなことに構っていられない。

「わ、来る。すみません。ありがとうございました」

 そう言って、先を急ごうとしたけれど、何故か前に進めない。

 あれ?
 なんでこの人、わたしの袖、掴んでるの?

 「ムッシュー・ベルナルド、すみません、その娘を捕まえておいてください」

 
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