パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 それがどうだ。
 会ってみたら、まったくの予想外。
 
 見たところは、黒髪の、くっきりした二重の黒い瞳が印象的な、美しい面立ちの、典型的な日本の美少女だが……

 中身は予想をすっかり裏切ってくれた。

 薫は言葉だけでなく、表情や身振りで自分の気持ちを伝えてくる、感情表現がとても豊かな子で。
 初対面だというのに彼女が考えていることが、手にとるように伝わってきた。

 いや、実に面白い。
 
 薫のようなタイプの子に日本で会ったのは初めてだったが、身近にはよく似た子がいた。

 3歳下の従妹、ロザリー。

 あまりにも元気がありすぎて、16歳でこの世からあの世へと、あっという間に駆け抜けていってしまった、私の可愛いロザリーに。
< 51 / 245 >

この作品をシェア

pagetop