パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 そのうち祖母のところに行く日にはきまって蕁麻疹(じんましん)が出るようになった。
 それでもお稽古をやめることは許されず……


「ふーん、薫のおばあさんもなかなか手強そうだな」
 鹿肉のコンフィを優雅に口に運びながら、ベルナルドさんは言った。

「本当に厳しい人で。子供のころは会うのが怖くて……今も怖いですけど」

「うちの祖母も同じようなものだったよ。私の場合は日本語を勉強させられたんだが」

「子供のころから習っていたんですか。だからそんなにお上手なんですね。日本語」

「まあ、今となっては役に立っているがね。こうして薫とも不自由なく話ができるし」 
 そう言うと、ちょっと顎をあげて、流し目でこっちを見た。

 その顎のラインがとっても美しくて。
 つい見()れてしまうんだよな。
 こんな麗しい横顔とかされちゃうと……
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