パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 ロビーにいる人たちが振袖姿でジタバタしているわたしに好奇の視線を送ってくる。

 もう、恥ずかしいったらない。

 とうとうパパが、大きなお腹を揺らしながらやってきてしまった。

「いやあ、とんだところを……面目ない」

「いや、なかなかイキのいいお嬢さんですね」

 なにが〝イキのいい〟よ!
 魚じゃあるまいし。
 なんか、むかつく、この男。
 あーあ、損した。
 イケボのイケメンだなんて、ちょっと、ときめいたりして。
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