パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
***
ほんとに最悪。
ぜったい厄日だ。今日は。
と、不貞腐れているわたしは久世薫、二十歳。
短大のライフデザイン科2年生。
家は戦前から続く、呉服を扱う老舗織物問屋。
父方の祖母は華族の血を引く名門家系。
まあ、一応、〝お嬢様〟ってことになるのかな、世間的には。
「薫、むくれてないで、ちゃんとご挨拶なさい」
ママがわたしをたしなめる。
知らないよ!
「いや、ひとり娘なもので、ついつい甘やかしまして」
パパが頭を掻きながら、そんなことを言ってる。
その男は何も言わず、ただ唇の端に微笑を浮かべているだけ。
うわっ、やな感じ。
ぜったい性格悪いよ、この男。
あーあ、もったいないなぁ。
思わず拝みたくなるような、極上のルックスなのに。
ほんとに最悪。
ぜったい厄日だ。今日は。
と、不貞腐れているわたしは久世薫、二十歳。
短大のライフデザイン科2年生。
家は戦前から続く、呉服を扱う老舗織物問屋。
父方の祖母は華族の血を引く名門家系。
まあ、一応、〝お嬢様〟ってことになるのかな、世間的には。
「薫、むくれてないで、ちゃんとご挨拶なさい」
ママがわたしをたしなめる。
知らないよ!
「いや、ひとり娘なもので、ついつい甘やかしまして」
パパが頭を掻きながら、そんなことを言ってる。
その男は何も言わず、ただ唇の端に微笑を浮かべているだけ。
うわっ、やな感じ。
ぜったい性格悪いよ、この男。
あーあ、もったいないなぁ。
思わず拝みたくなるような、極上のルックスなのに。