国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜

「でも本当よかったよ。当日は文化祭、一緒に回ろうな」


 抱きしめられていた身体がスッと離れなんだか寂しい気持ちになる。なんなんだろう、この感情は……


「一緒に回るなんてそんなっ、私なんかよりも友達と回った方がいいんじゃないですか?」


「ふーん、お前は俺が他の女と一緒に文化祭回ってもいいって言うわけ?」


 ギロっと睨まれてゾクリと背筋が震えた。


 雷斗くんが他の女の人と……考えたらなんだか胸がチクリと痛んだ。


 なんでしょうか、この痛みは。雷斗くんが他の女の人と仲良く並んで歩いているところを想像するだけでなんだか悲しくなってしまう。


 なんで? なんで悲しくなるのでしょうか?


「……やっぱり私と回ってくれませんか?」
「ははっ、良かった。じゃあ当日は俺も生徒会の仕事とかあるけど、時間見つけて一緒に回ろうな」


 雷斗くんの嬉しそうな笑顔。そんなニコニコな笑顔を見れると私も嬉しくなる。

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