国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
(え……いつのまにか私……)


 雷斗くんの一言で自分の気持ちに気づいてしまった。雷斗くんは私の作ったご飯を好きといってくれただけなのに……


 多分、いや、絶対、私は雷斗くんのことをいつの間にか好きになってしまったのですね。


 雷斗くんが笑顔だと嬉しい。嬉しくて私まで笑顔になれる。


 雷斗くんが悲しそうだと凄く気になる。どうしたんだろう、大丈夫かなって凄く気になる。


 雷斗くんが側にいると勇気が出る。勇気が出て、とても心が落ち着く。


 雷斗くんと一緒にいるとドキドキが止まらなくて心臓がいくつあっても足りないって思っていたのは、もう出会った時から既に私の心は雷斗くんに囚われていたのかもしれない。


 それと同時に雷斗くんとのこの生活に終わりがあることに私は気づいてしまった。


 彼の怪我が治ったらこの同居生活は終わりを告げてしまう。もっと、もっとずっと一緒に、雷斗くんの怪我が治っても、雷斗くんと一緒にいるにはどうしたらいいんだろう……


 彼が好きだと気づいて嬉しい気持ちと、彼と離れる未来が来るのかと思うと切なくて悲しい。二つの想いが複雑に絡みあった。


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