国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「お前は本当よく泣くなぁ、本当大したこと無いから気にすんな」


「で、でもッ……」


「あ〜でも俺一人暮らしだからやっぱり生活面では不便かな。じゃあさ、羽花が俺の右腕が治るまで世話してくれない?」


 ……世話? ペットでも飼ってるのかな?


「もちろんです! 犬ですか? 猫ですか? お名前は?」


 くくくと腹を抱えて笑う彼にハテナマークしか浮かばない。


「ははっ、人間の一ノ瀬雷斗(いちのせ らいと)だよ。お世話よろしくな? うーか」


 そっか、人間の一ノ瀬雷斗くんのお世話ですね! ん? 人間?


「えっ!? え!? ま、まさか……」


「俺の名前は一ノ瀬雷斗、お世話頼むよ?」


「ええぇぇえええ!? そ、そんなっ、む、無理ですッ」


 人間のお世話だなんて! 確かに弟妹がいてお世話は慣れてるけどそれとこれとは別! こんな国宝級男子のお世話なんて心臓がいくつあっても足りないに決まってる。


「無理って、でも俺右手使えなくて困ってるんだけど?」


 ニヤリと意地悪な笑みを私に向ける。うぅ、そうですよね、困りますよね……


「……うぅ、意地悪ですね。精一杯、が、頑張ります」


「はい、よろしい。んじゃ早速羽花の家に挨拶に行くか!」


「はい?」


 何故うちに挨拶を?

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