国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 未だに訳のわからないまま雷斗くんに付いてきてしまったがどうも頭が回らない。だってイケメンが私の隣に座っているんだもん! 今まで恋どころか小学校の時から貧乏といじめられたり、基本一人ぼっちだった私にはイケメンと一緒の空気を吸っている事自体が有り得ない。同じ空気を吸っていて申し訳ない気持ちにもなってくる。


(空気を汚染してすいません……)


「あの……本当に雷斗くんの家に住むんですか?」


 もう一度確かめるつもりで聞いてみた。


「俺の世話してくれるんだろう?」


 ジィっと綺麗な漆黒の瞳に覗き込まれ思わず顔がカーっと赤くなるのが自分でも分かる。恥ずかしさのあまりパッと顔を横に背けた。


「それは確かにそう言いましたけど……」


「だろ? ほらお前ん家着いたから降りるぞ」


「ええっ、もう着いたんですか!?」


 普段自転車や徒歩が移動手段の私にはあまりの速さに瞬間移動でもしたのではないかと思ったくらい、あっという間に着いてしまった。

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