国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 スタスタと進む雷斗くんの後を必死で着いていく。躊躇なく私の家のインターホンをならすとリストラされ就活中の無職のお父さんが出てきた。


「羽花、鍵もってなかったのか?……って、えっと……」


 突然娘と現れた国宝級美男子にあっけにとられているのかお父さんの動きがカチリと止まっている。多分私と同じで思考回路が追いついていないんだと思う。


「あ、あのねお父さん、こちら一ノ瀬雷斗くんっていって」


 な、名前しかしらないっ! どどどどどうしよう〜


「初めまして、一ノ瀬雷斗と申します。羽花さんとは高校が一緒でじつはこの怪我は羽花さんを事故からかばった時にすこし骨折してしまいまして、治療費とかはいりません。ただ一人暮らしなのでどうしても聞き手の右腕が使えないと生活するのに不便でして、俺の右腕が治るまでの間羽花さんに一緒に住んでもらおうかという話になりました。もちろん羽花さんは了承してくれています。お父さんどうでしょう? よろしいですか?」


 ちょっとまって、雷斗くんって同じ高校なのですか!? やっぱりこの服は制服だったのですね!!! でもこんな国宝級美男子、見たことないような……でもまぁ普段からあまり周りのこと見てないから気づいてなかったのかもしれない。てっきり大学生くらいかと思っていました。

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