国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 和らびcafeは大盛況で午後三時には用意していたすべての和菓子が売り切れてしまった。文化祭は五時まで。片付けられるお皿や調理器具などは先に片付けてしまい残りの時間は自由時間となった。


(自由時間といえど、流石にこのワイワイした楽しい空間を一人で周る勇気はありません……)


 時間まで去年同様図書室で時間を潰しましょう。今年は皆さんの輪に入れて文化祭を楽しめたし、雷斗くんと文化祭デートもできました。思い残す事はなにも有りません。


「羽花、この後なにか予定ある? またデートとかかな?」


「明日香さん、いえ、雷斗くんとはなにも約束はしていないです」


 一人で時間を潰すために図書室に行こうとっしていたとは言いづらい。


「じゃあさ、私達と一緒に文化祭周らない? せっかく友達になれたんだからさ!」


 思わぬお誘いに嬉しさで胸が熱くなる。


(あ、でも明日香さんはいいと思っていても他の方たちはどうでしょうか。私なんかと周っても……)


「考えてることお見通し。皆羽花と一緒に周りたいってよ、ね、どうする?」


「そ、そんな……是非一緒に周らせて下さいっ!!!」


 嬉しい、嬉しい、嬉しい、嬉しいです!!!


 じわぁっと嬉し涙が滲み出てくるのをなんとか堪えた。

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