国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
勢いよくペダルを漕ぎ風を切る。今日はもう五件目の配達で少し疲れが出てきた。出てきたけど向かっている先は常連のおばあちゃんのお家。あのおばあちゃんの太陽みたいな優しい笑顔をみると不思議と元気が湧いてくる。
(久しぶりのおばあちゃん、早く会いたいです)
自然とペダルを漕ぐ足が軽くなってきた。
「こんにちは! お待たせ致しました、bring eatsです!」
インターホンに向かって声を出すと玄関からおばあちゃんがひょっこっと顔を出した。
「羽花ちゃん、今日もありがとうね」
優しく微笑むおばあちゃん。ぽわんと心が温かくなる。
「こちらこそ、いつもありがあとうございます」
「ふふふ、じゃあこれ、お金ね」
おばあちゃんに渡されたお金を「ありがとうござます」と受け取りbring専用の財布にしまう。
「確かにお預かりしました。おばあちゃん、そろそろ梅雨がきて天気が悪い日が続くと思うから雨の日とかは足元気をつけてくださいね。では、失礼します!」
雨で足を滑らせて怪我でもしたら大変です。おばあちゃんは優しく微笑み「ありがあとうねぇ。羽花ちゃんも気をつけてね」と太陽のような温かい笑顔を向けてくれた。