国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 私はギュウッと雷斗くんを抱きしめていた腕に力を入れ直した。


 時間にすると十分くらいだったのかもしれないけれど、ドキドキしながら大きくて広い雷斗くんの背中に抱きついていたらあっという間にマンション前まで着いてしまっていた。


「着いちゃいましたね」


「なに? まだ俺とくっついてたかったの?」


「えっ……と、その、えぇと……」


 顔に出ていたのでしょうか……心を読まれてしまったようで恥ずかしいです。


「あーもう、可愛すぎだろ。とりあえず今は手だけな?」


「は、はいっ!」


 差し出された手に食いつくように握りしめた。恥ずかしいよりも彼に触れてたい、そう思う気持のほうが大きかったから。


 繋いだ手は離れることなく長いエレベーターを登っていく。最初はこの長いエレベーターに何度も驚かされたが一ヶ月もたった今じゃ慣れてきた。

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