国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 チラリとおばあちゃんが視線を送る先にはお父さんがギロリと厳しい表情で立っていた。


「母さん、勝手に話を進めないで下さい」


 ピシャリと言い放たれる。


「あら、公の場で母さんって呼ぶなんて珍しいじゃない。逆に羽花ちゃんになんの不満があるのか聞きたいくらいだわ」


 二人の間にバチバチと火花が散っているのが目に見えるよう。これは、もしかして、もしかしなくても私、のせいですよね……? こ、これは大変です。


「あ、あのっ、おおおおおおお父さんっ」


 ギロリと睨まれ「なんだ」と冷気を纏った言葉を放たれた。で、でもめげませんっ!


「私はまだ高校生で人間としてもまだまだ未熟者です。この会社のことも雷斗くんから教えて頂きましたが正直よく分かっていません。でも凄い会社というのは分かります。これからたくさん勉強します。いつかこの会社を背負っていく雷斗くんの隣に立っていても恥ずかしくないよう勉強も、身なりも、全てを努力します。雷斗くんのことを支えられるように、いえ、私が雷斗くんのことを支えていきたいんです。まだ社会にも出ていないひよっこの私が何を言っているんだって思うかもしれませんが、本気なんです。私のことを側で支えてくれた雷斗くんのように今度は私が雷斗くんを支えたい。ずっと側にいて力になりたいんです。み、認めてもらえるまで何度でもお願いしにきます。どうか、どうかまだまだ未熟な私ですが雷斗くんとの交際を認めてほしいです! お願いします!」


 勢い良すぎて額が床に付きそうなほど頭を下げた、もう私にはこして素直に気持を伝えてお願いするしか方法が見つからない。

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