国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 お父さんは難しい顔でこめかみを押さえながらはぁ、と重い溜息をついた。


「こんな公の場でよくもまぁ恥ずかしがらずに言えたもんだ。それがまた若さの力なのかもしれないな。二人共顔を上げなさい」


 私と雷斗くんは揃って恐る恐る顔を上げる。一体何を言われるんだろう……


「二人の気持はよく分かった。いいだろう、二人の関係を認める。そのかわり簡単に別れるなんてことは言語両断、二人でたくさんのことを乗り越えてお互いを高め、支え会あえるそんな関係を築き上げなさい。雷斗、約束できるか?」


 お父さんはじっとわあたしと雷斗くんを見つめる。親子揃って漆黒の真っ直ぐな瞳。


「ああ、必ず約束するよ。羽花と一生を添い遂げて、いつかは親父を超えるやりて社長になってやるからな」


「わ、私も約束します!」


 その瞬間のお父さんのふと微笑んだ顔が忘れられない。ものすごくおばあちゃんの笑顔に、雷斗くんの笑顔に凄く似ていたから。太陽のように温かくて優しい笑顔。

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