国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 認めてもらえたの事が嬉しくて、緊張の糸がプツンと切れた。身体の力が一気に抜けてしまい膝がカクカクと笑い出す。慣れないヒールに足が限界を迎えていたようだ。


「羽花、大丈夫か?」


 一番に私の変化に気づいてくれる雷斗くん。


「あらあら、緊張疲れかしらね。羽花ちゃん、私達と向こうに個室を用意してあるから休憩しながらお茶でも飲みましょう」


「え、で、でも……」


 私だけいいんでしょうか?


「羽花、ばあちゃんと行ってきな。俺はまだ親父と挨拶周りがあるから、終わったら無迎えに行くよ。足も限界だろ? ゆっくりしておいで」


 やはり足が限界なことがバレていました。たった二時間ていどで恥ずかしい。これからはもっと身なりにも気をつけなくちゃいけませんね。


「ね、じゃあ行きましょう」


 おばあちゃんに連れられ雷斗くんとはまた別行動をとることになったけれど不思議なもので最初の一人で感じていた不安感は全くなくなっていた。でもやっぱりいつものおばあちゃんと分かっていても緊張してしまって、出してもらったケーキの味もよくわからなかった。

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