国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「羽花、大丈夫か?」


 なかなか泣き止まない私を心配そうに雷斗くんは覗き込んでくる。何分泣いてしまったかは分からない。やっとの思いで泣き止んで落ち着いてきたので私と雷斗くんは足並みを揃えてホテルを出た。


 時刻はお昼をとうに過ぎていてグゥゥゥとお腹の音が鳴ってしまった。


「き、聞こえてしまいましたか!?」


(聞こえていたらどうしましょう。恥ずかしすぎますっ)


 クスクス笑う雷斗くんに答えは聞かなくても分かる。確実に聞こえてたんだ。


「あ、あのですね! これはっその、全然なにも食べていなくてですね、安心して気が抜けてしまったといいますかっ」


「羽花!!!」


 へ? この声は……まさか……


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