国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 雷斗くんのマンションの近隣はとても便利でスーパーに、ドラッグストア、コンビニ、駅も近いし、とにかく住むのにかなり便利な位置に建っている。


「歩いて五分のところにスーパーがあるなんて、凄過ぎます」


「そうか? 普通だろ」


「ええ!? 私の家の近所のスーパーでさえ自転車で十分はかかりますよ。本当近くて便利ですね」


 二人で並んでスーパーの中を歩く。なんだか不思議だ。男の子と一緒にこうしてカートを押しながら歩いていることが。



 とりあえず野菜コーナーから行ってみることにした。


 葉のものから根菜、なんだか訳のわからないキノコとか葉っぱもある。というより値段がバカ高い。私のいつも行っている激安スーパーの三倍くらいの値段だ。こ、こんなの私のお小遣いで買えるはずがない……


「なに、これ買えばいいの?」


 雷斗くんは手にレタスを取り徐にカゴに入れる。次から次へと野菜を手に取りカゴに入れていくものだから途中で「ストーップ!」と急いで止めに入った。


「こんなに沢山は使いきれないですよ! 痛ましちゃいます。そ、それにここのスーパー凄く物価が高くて……その、私にはちょっと……」


 高くて買えません、なんて恥ずかしくて言いづらい。


「いいよ、俺が作ってもらうんだから金は気にすんな。うちで俺の世話をしてくれてる間はお金の心配は一切しなていいからよ。そのかわり美味い料理を食わしてくれよ? 毒入りとかは勘弁な」


 ははっと笑いながら、しょぼんとなっていた私の頭を優しくぽんぽんと撫でてくれた。雷斗くんは意地悪なのか優しいのかよく分からない。

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