国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 唐揚げをあげるついでに夜のおかず用に冷凍コロッケも一緒に揚げておく。帰ってきてトースターで温め直せばオーケーと、なんて便利なおかずだ。食パンを焼いて卵焼きを作ったフライパンでそのまま目玉焼きを作れば朝ごはんの完成。


「雷斗くんお待たせしました」


 ダイニングテーブルに運ぶと嬉しそうに背筋を伸ばしてだらんと座っていた体勢を整える雷斗くん。


「ん〜サンキュウ。これからは俺も腕が治ったわけだし、朝飯の洗い物は俺がやるよ」


「ええ!? どうしたんですか!? 頭でも打ちましたか!?」


 驚いてトーストも乗っていたお皿を落としそうになった。だって雷斗くんが皿洗い……全く想像出来ません。


「おまっ、失礼だな。今までは右腕が使えなくてなにも手伝えなかったけど、もう治ったっし、俺だって皿くらい洗えるよ」


「す、すいません。つい驚いちゃって。でもとても助かります。お願いしてもいいですか?」


「当たり前だろ。いつも美味い飯作ってくれてありがとうな」


 蕩けてしまいそうになるくらい嬉しい言葉に思わず笑みが溢れる。これからもずっと雷斗くんの為に色んなものを作りたいです。


「ふふ、私ほうこそこんなに幸せな気持にしてくれてありがとうございます。本当雷斗くんと怪我が治っても一緒に住めることになって、皆さんに感謝です」


 サクッとトースターを食べながら「だな」と雷斗くんも言った。

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