国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 瞬く間に私と雷斗くんは引き剥がされ女子の群れの外に弾き飛ばされた。


「こ、コレは一体……」


 言わんこっちゃない! やっぱり雷斗くんがモテモテじゃないですかぁぁぁ!!!


「キャーーー会長イメチェンですか? めっちゃ格好いいんですけど」


「前の髪型もよかったけど断然こっちのほうが似合ってる!」


「やばい! イケメン〜〜〜っ」


 女子のキンキンと黄色い声に耳が痛くなる。


(ら、雷斗くん……)


 ま、負けません〜〜〜っ!


 グイグイと身を捩らせ雷斗くんの元へ辿り着こうと進むが、さすがはイケメンに群がる女子のパワーは計り知れない。なかなかたどり着けません。


「くうっ、ら、雷斗くんは私の彼氏ですっ」


 グッと伸ばしたてがグイッと引き寄せられた。


「雷斗くんっ」


 満足そうな笑みになんだか嫌な予感がする……


「ははっ、本当可愛いんだよな、俺の婚約者は」


 へ? 婚約者? コンヤクシャ? コンニャク? の聞き間違いですか?


「ほら、行くぞっ」


「ふぇい? 〜〜〜っ!」


 腕を引かれそのまま女子の大群を割ってすり抜ける。後ろから女子の雄叫びが背中に突き刺さる。この突き刺さる感じ、久しぶりです……ってちがあーーーーう!!!


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