国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜

　今日は何度この長いエレベーターに乗ったんだろう。何度乗っても慣れないものだ。


　玄関ドアを雷斗くんがカードキーで開け彼の後に続いて家に入る。


「お、お邪魔します」


「ははっ、もうお邪魔しますじゃなくてただいまでいいんじゃね？　今日からここに住むんだからさ」


　……ただいま。自分の家じゃないのにただいまというのも変な気がするが確かにこれから雷斗くんの右手が治るまではここに帰って来るんですもんね。


「じゃあ、ただいまです？」


「ははっ、おかえり、羽花」


　ドクンと心臓が高鳴った。うるさいくらいに動く心臓。キラキラ輝いた雷斗くんの笑顔が眩しくて直視出来なかった。