国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「羽花」


「はいぃぃっっ」


「これ、ご主人さま命令だから」


「うぅ、ご主人さま命令……」


 ニヤニヤ笑ってる〜〜〜ぜぇったい意地悪だ!!!


「ほら、早く」


 顎を突き出し口を開けて雷斗くんは私が食べさせるのを雛鳥のように待っている。


 私はゴクリと息を飲み覚悟を決めた。


「は、はい。あ〜んです」


 ハンバーグをさしたフォークが緊張で揺れながらも雷斗くんの口の中へ入っていく。パクリと食べ、もぐもぐと口を動かしている。


(ま、まずかったかな……?)


 ぺろりと唇についたソースを舌で舐めてゆっくりと口が開いた。まずい? おいしい? どっちだろう。


「うん、すげぇうまい。もう一口食べさせて」


 満面の笑みで美味しいと言われてホッとしたのもつかの間、また口に運ぶの!?


「はーやーく。羽花の作ったハンバーグたべさせてよ」


「うぅぅ、分かりましたよぉ。じゃあ一つだけお願いしてもいいですか?」


「なに?」


「目を、目を瞑ってください! こっち見られてると緊張しちゃって、だから目を瞑ってくれたら、あ〜んしますからっ!」

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