国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 クスクス笑う雷斗くん、絶対面白がって笑ってるんだろうけど私は至って本気だ。だってあんな国宝級美男子の顔にまじまじと見られるなんて耐えられないっ! 息が出来なくて既に苦しい。酸欠で死んでしまうかも。


「だ、ダメですか……?」


「ははっ、いいよ。目ぇ瞑ってやる」


 スゥっと目を閉じ軽く口を開けて待つ雷斗くん、よし、これで食べさせやすいはず!


(な、なんか逆に……)


 瞑った瞳、長いまつ毛がふさふさで、目を閉じていても国宝級美男子だ。


(うわ、なんか逆に緊張してきました)


 でも早く食べさせてあげないと……


「羽花、まだ?」


「あぁっと、今、今口に運びますからっ」


 パクリとハンバーグを口にすると満足そうにもぐもぐと口を動かしている。ゴクリと飲み込んだ時に動く喉仏は女の私には無いもので、本当に男の子と一緒に御飯を食べてるんだなぁって思わせた。


 なんとか雷斗くんにご飯を食べさせ終わった。バイトで自転車を漕ぎまくるより体力を消耗した気がする。

< 28 / 225 >

この作品をシェア

pagetop