国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 急いで普段から愛用している中学時代のジャージに着替え、リビングへ戻った。


「雷斗くんっ、お待たせ致しました!」


「ぶほっ、お前その格好……中学のジャージかよ」


 今日一で爆笑する雷斗くんはヒーヒー言いながらお腹を抑えている。


「そ、そんなに笑うようなことですか? そんな可愛いパジャマなんて買うお金ないんですもん……」


 そりゃあ可愛いもふもふしたパジャマは着てみたいけど……


「わりぃ、わりぃ、そんなしょぼんとすんなよ。ジャージ姿も可愛いよ」


 !?!?!?


「な、なに言ってるんですかっ! まったく! からかうのはやめてくださいよ!」


「ははっ、まぁいいや、もう遅いし寝ようぜ」


 寝る……そうだよね、ここに暫く住むんだから寝るのは当たり前だよね。


「わ、私はソファー、いや床でも十分なのでお気になさらないでくださいっ、布団もいりません! 雑魚寝で十分です!」


「何いってんの、羽花の寝る場所はこっち」
 広い廊下にでてさっき私が使っても良いと言われた部屋の隣のドアを雷斗くんは開けた。


 男の人の部屋……? シンプルな紺色のベット、かなり大きい気がする。本棚にはたくさんの難しそうな本がズラリと並んでいて、机の上には大きな画面のパソコンやらタブレットが置かれている。

< 38 / 225 >

この作品をシェア

pagetop