国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「別にいいじゃん。俺の事嫌いなの?」


「なっ、嫌いとかそーゆーのじゃないんですよっ。それに私の事を彼女だなんて言ったら雷斗くんの評価も下がってしまいます。今すぐ撤回しましょう。そうですね、あのショートカットの女の子が言っていたように私はいとこという設定にしましょう」


「それは無理。俺はお前がいいんだよ」


「はいぃぃい?」


「俺がいいんだからもういいじゃん。それよりさコレ食べさせて」


 ほうれん草の胡麻和えを指差してあーんの状態で待っている。


「ちゃんと食べやすいようにフォークも入れたじゃないですか!」


 誰も見ていないとはいえ学校でなんて恥ずかしすぎるっ。


「無理無理、こぼしたら大変だろ? 羽花ちょうだい」


「くぅ……」


 そんなに見つめないでください……根気負けしてほうれん草の胡麻和えを雷斗くんの口に運ぶ。もぐもぐと嬉しそうに食べる姿を見るとそれはそれで嬉しくなってしまう。

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