国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「なぁ、少し遠いから隣に座ってくんねぇ?」


「ぜ、全然遠くないですよっ! 食べさせられます!」


「俺が嫌だ。はい、これご主人様命令〜」


 ニヤリと笑った顔は悪魔だ。この人、絶対意地悪悪魔。


 自分の隣の席をポンポンと叩き私を誘ってくる。


(ま、負けませんっ)


「羽花? 来てくれないの?」


 眼鏡越しに寂しそうな瞳を見せてきた。そんな顔されたら……


 仕方なくちょこんと隣に座って口の中にタコさんウインナーを突っ込んだ。


「ぐっほっ、いきなり突っ込むなよ。まぁ美味いからいいけどさ」


 仕方ないのでもう諦めて雷斗くんの口にどんどんおかずを運ぶことにした。


「なぁ、羽花」


 いつもより少し低くて真剣な低音ボイスに心臓がドキリとした。


「ど、どうしましたか?」


「なんかさ、密室に二人だと、いけないことしてるみたいだな」


 更に近づいてくる雷斗くんの身体。視線がカチリと合い、いつの間にか雷斗くんの綺麗なお顔が目の前にある。ドキドキと心臓が高鳴り身体から飛び出してきそうだ。

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