国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
保健室
外に出るとカラッと晴れたいい天気。その晴れ晴れとした空とは真逆、私の心の中はもくもくとグレイな雲で埋め尽くされている。
隣を歩く雷斗くんは既に優等生モード。眼鏡をかけて知的な雷斗くんも国宝級のイケメンです。
(イケメンだけど……意地悪なんだよなぁ)
昨日の今日だ、絶対噂は消えていないし、今日も注目の的になってしまうのかと思うと胃がキリキリ痛む。
「雷斗くん、学校につく手前でバラバラに入りませんか? 私またあのみんなの視線に耐えられる気がしません」
「大丈夫だろ。昨日で皆んな俺らが付き合ってるって分かっただろうしそんな注目されないって」
「そうでしょうか……」
「大丈夫、堂々としてればいいんだよ。羽花には俺がついてるから、な?」
いや、その自信はどこからきているのか全く理解できない。私は目立たずにひっそりと過ごしたいだけなのに。
思った通り学校に着いたらザワザワとしたみんなの声に包まれる。
「あぁぁぁ、雷斗くん、やっぱり凄いじゃないですかぁぁ」
「大丈夫、ほら行くぞ」
嫌だと反論する隙も与えられず私の腰を抱き寄せ優等生モードの雷斗くんは紳士的にエスコートする。