国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「こんな遅くに一人でスーパーに行くんじゃねぇ! 俺を呼べ! 次からそうすること、いいな?」


「え、でも私今まで普通に一人で買い物行ってましたから大丈夫ですよ」


「俺が大丈夫じゃないから絶対にダメだ。もしも不審者にでも会ったらどうするんだよ。ったく、夜道の中のバイトだって本当は心配なのに」


「ら、雷斗くん?」


 なんだか物凄く私のことを心配してくれているのでしょうか?


「ほら、帰るぞ」


 一歩前を歩く雷斗くんの耳が真っ赤に染め上がっていたことになんだか自分が凄く大切にされているような気になってしまった。


 二人並んで乗るエレベーター、雷斗くんの左手には買い物袋。


(意地悪だけどすごく優しいんだよね……)


 さりげなく買い物袋をもってくれるところも、エレベーターの扉を抑えてくれるところも、雷斗くんは色んな優しさが溢れている人。


「ただいまです」


 まだ慣れないただいま、洗面所で手を洗い、リビングに入ると二人分の食事が用意されていた。

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