国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「雷斗くんが準備してくれたのですか?」


 私が朝作っていったおかずや味噌汁が並べられていた。左手で味噌汁を入れるなんて大変だったと思う。その姿を想像して嬉しくて頬がふにゃりと緩んでしまった。


「ああ、早く食べようぜ腹減った。待ちくたびれたから羽花が俺に食べさせて」


「ええ!? またですか!?」


 何度やってもこれは慣れません。


「いいだろ? 俺に心配をかけたバツだ」


「うぅ……わかりましたよぉ……」


 ポンポンと自分の隣の椅子を叩いて無言で隣に座れと言ってくる。


 ひな鳥が親鳥から餌待ちのような状況のなか、おずおずと雷斗くんの口に生姜焼きを運んだ。


「うん。美味いよ、羽花の作った飯が一番好き」


 好き、というワードに心臓がドキンッと驚いた。


「あ、ありがとうございます」


 ありがとうと返すので精一杯だった。


 雷斗くんは私の作ったご飯を必ず美味しいと言ってくれる。確かに家族も言ってはくれていたけど、雷斗くん美味しいと言われると胸がぽわんと温かくなって心臓の動きが早くなるような気がした。


(な、なんでしょうか。この気持ち……)

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