国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
 ブーブーとスマートフォンのバイブ音がバックの中で鳴っている。


(ん? メールかな?)


 後で見ようと思い放置していいるとまたバイブ音が鳴った。また鳴る、更にもう一度。


(な、なんなんでしょうか!?)


 急いでスマートフォンを開いて見てみると全部雷斗くん。な、なんなんでしょうか!?
”廊下見ろ”


(ん? 廊下ですか? ふぉ!? らららら雷斗くん!?)


 思わず声が出そうになり両手で口を塞いだ。廊下から何かを言っている様子。なんでしょうか? 口の動きをよく見てみると、がんばれ、とガッツポーズを見せてきた。わざわざ私のクラスまで様子を見に来てくれたんでしょうか?


 ブーブーとまた鳴るスマートフォン。早く見ろとクチパクで伝えて来る。


(な、なんでしょうか?)


”ダメだったら俺が励ましてやるし、羽花の料理の味は保証する。羽花なら和菓子くらい作れんだろ? 俺、羽花の作った和菓子が食べたい”


(いったいどこの場面から見てたんですか!?)


 視線を雷斗くんのに戻すとひらひらと手を降って口パクでガンバレ〜と言って帰っていく。


 単純に嬉しかった。自分の事を怪我させた相手の私にここまで気遣ってくれるなんて。本当に優しい人すぎる。


(雷斗くん、私……頑張ってみたいです)


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