国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜

早く会いたい

 ペダルを漕ぐ足がいつもより軽く感じるのは自分の心が高揚しているからだろうか。


 早く会いたい。早く会って話しがしたい。お礼が言いたい。貴方の、雷斗くんのお陰です、と。


 長い長いエレベーター、ついジッと待っていられなくてかかとを上げては下げてを繰り返してエレベーターが着くのをまだか、まだかと待つ。


 やっと着いた。自然と足は速く動き勢いよく玄関ドアを開けた。


「雷斗くん! ただいまです!」


 リビングの奥から「おかえり〜」と聞こえてきた。


 早く、早くと気持が焦る。


「雷斗くん! 私文化祭にちゃんと参加できることになりました! 本当雷斗くんのお陰です!!! 私に勇気をくれてありがとうございました」


「よかったな。まぁ俺は上手くいくと思ってたげどな」


「そ、そうなんですか!? っそ、それはちょっと過大評価しすぎです。明日香さんが私の意見を聞いてくれたお陰です」


 本当に雷斗くんにも。明日香さんにも、クラスの皆さんにも感謝感激です。


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