おとぎの檻
刹那、冷水をかけられたような寒気に襲われる
「心苦しいですが、仕方ありませんね」
───ジュ
何かが焼ける音と
人差し指の下あたりに、脳天を突き抜けるような痛みが走った。
「……っぁ!!」
声も出ず、おもわず目を開けてしまいそうになる。
痛いなんてもんじゃない。
地獄のような激痛だ。
「痛いですか朝佳さん。すみません。貴女が言うことをきいてくれないので、仕方なくやっているのです」
「っ…く」
「刻印一つ目。真っ黒な"僕のもの"だという痕が綺麗につきましたよ」
男はうれしそうなトーンで言う。
全身がガクガクと震え始めた。
歯の根が合わない。
この男…異常者だ。