初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
彼が用意した結婚情報誌とにらめっこする日々が続いて迎えた週末。
式場見学を予約した、東京駅から徒歩三分の距離にある有名ホテルに向かう。
プールがあるオシャレな一軒家を貸し切った、ゲストハウスウエディングにも惹かれたけれど、海外から訪れる彼のご両親と結城のおじさまには、交通の便がよくて宿泊施設が整っているホテルの方が負担が少なくて済む。
そう思い、彼と相談してホテルウエディングに決めたのだ。
歴史ある格式高いホテルに足を踏み入れ、白い大理石の床が目にまぶしいエントランスロビーを通り抜ける。そして、エレベーターで八階に向かい、ウエディングサロンで受付を済ませる。
十月か十一月に結婚式をあげたいことと招待客のおおよその人数を伝え、パソコンで検索をかけるプランナーの返事を待った。
気候が穏やかな秋は結婚式をあげるベストシーズンで、人気があると結婚情報誌に書いてあった。
すでに予約で埋まってしまっているのではないかと不安を感じていると、プランナーの女性がニコリと微笑む。
「十一月の最終日曜日、挙式開始が十八時の時間帯でしたら空きがございます」