初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~

家に帰って両親に式の日取りを伝えると、母親がソファから慌てて立ち上がる。

「あら大変。それなら、急いでドレスをオーダーしないとならないわね」

裾がふわりと広がるドレスを身にまといたい願望はあるけれど、一生に一度しか着ない物をオーダーするのはもったいない気がしてしまう。

「レンタルでいいと思っているんだけど」

自分の気持ちを正直に打ち明けると、母親が興奮気味に声をあげた。

「なに言っているの! 晴れの日に着るウエディングドレスをレンタルで済ますなんて考えられません。今度の休みにドレスショップに行くわよ。いいわね?」

本当は直君の意見も聞きたかった。けれど、娘のドレスを一緒に選びたいという親心も理解できる。

「うん。わかりました」

断り切れずに返事をすると、母親が満足そうな笑みを浮かべた。
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