初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
往生際悪く抵抗する私の目を見つめたまま、彼があらわになった胸に唇を寄せた。
「っん」
意地悪な視線から逃れたいのに甘美な刺激に堪え切れず、唇の端から吐息交じりの声が漏れてしまう。
「そのかわいい声、もっと聞きたい」
羞恥を煽られる言葉を耳にして顔が紅潮するのを感じていると、私の手首を押さえていた大きな手が離れていった。
上半身を起こした彼が体の前で両腕をクロスさせて、勢いよくシャツを脱ぎ捨てる。その様子はワイルドでカッコいい。
ベッドに体を横たえて鍛えられた美しい腹筋に目を奪われていると、彼の手がワンピースにかかった。
気恥ずかしさは消えないけれど、体は確実に彼を求めている。
ふたりで一糸まとわない姿になり、再び唇を熱く重ねた。
温かい舌が唇に触れたのに気づいて口を開き、お互いのそれを情熱的に絡ませ合う。
すぐに息が上がってしまう私とは違い、キスを交わして火照った素肌に指をすべらす彼は余裕が感じられてなんだか悔しい。それでも私の弱い箇所を的確に攻めてくる彼に抗えず、背中を逸らして恥ずかしい声をあげる。
もう、彼を受け入れる準備は整っている。
ライトアップされたペトロナスツインタワーの光が差し込む寝室で、体にのしかかる彼の重みを心地よく思いながらひとつになった。