初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
「やっぱり、小夜子はブルーが似合う。かわいいよ」
淡いブルーのカラードレスに身を包み、ブライズルームの鏡の前で佇む私の背後に回り込んだ彼が耳もとで甘くささやく。
私にとってブルーは特別な色。お色直しのドレスは絶対ブルーにすると決めていた。
「ありがとう」
褒め言葉をうれしく思い、鏡越しに視線を合わせて微笑む。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
彼の腕に手を添え、オフショルダーのプリンセスラインのドレスの裾をふわりと揺らして披露宴会場に移動した。
再入場を果たすとゲストテーブルをひとつずつ回り、メモリアルキャンドルに灯りをともしていく。そして、新郎の親族席に座る結城のおじさまに声をかけた。
「今日は遠いところお越しいただきありがとうございます」
「こちらこそ、ご招待いただいてありがとう。それにしても、本当に綺麗だ」
「ありがとうございます」
おじさまと顔を合わすのはウィーンのコンサート以来。相変わらずお世辞が上手でマイペースなおじさまがおもしろくてフフッと笑うと、今度は彼が口を開く。