初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
マリッジブルー
梅雨入りしてから一ケ月が経ち、そろそろ太陽の日差しが恋しくなってきた七月上旬の火曜日。
渡したい物があると言われ、仕事終わりに霞ケ関駅からほど近いイタリアンレストランで彼が来るのを待つ。
定時で上がれる日がほとんどないと言う彼と、平日に待ち合わせをするのは今日が初めて。
この前は一緒にいることを拒まれて落ち込んだけれど、デートに誘われれば気分も上がって心が弾む。
白いテーブルに青いイスが映える明るい店内でアイスコーヒーを飲んでいると、彼がドアを開けて中に入って来るのが見えた。
「待たせてごめん」
「ううん。お仕事おつかれさま」
「小夜子ちゃんもおつかれ」
彼が向かいの席に腰を下ろし、メニューを広げる。
「ここはボロネーゼがうまい」
「そうなんだ。じゃあ、それにする」
「了解」
仕事帰りにこの店にときどき寄ると言っていた彼が、慣れた様子でオーダーを済ませる。
久しぶりのスーツ姿に見惚れていると、彼がビジネスバッグからある物を取り出した。
「今日は小夜子ちゃんにこれを渡したかったんだ」
テーブルの上に付箋が貼られた結婚情報誌が置かれる。