初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
ご両親への挨拶がまだだということも忘れ、そう遠くはない未来に思いを馳せる。
「今ならまだ秋に結婚式をあげられる。今度の日曜日に式場見学に行かないか?」
「どうしてそんなに早く結婚式をあげたいの?」
積極的なのはうれしいけれど、結婚を急ぐ理由が知りたい。
向かいの席に座る彼の瞳をじっと見つめて答えを待った。
「冬は風邪が流行るし、雪が降って交通機関が乱れるかもしれないから避けたい。けれど、海外赴任の辞令が出る春までは待てない。そうなると、秋に結婚式をあげるのが一番いいと思ったんだ」
彼の説明はとてもわかりやすく、結婚を急ぐ理由も納得できるものだった。けれどやはり、ご両親のことが気にかかる。
「でも、ご挨拶もまだなのに先に式場を予約するのはちょっと……」
式場見学の誘いを受け入れられずにいると、彼が穏やかに微笑んだ。
「そこは問題ない。両親は俺たちの結婚に賛成している」
彼の笑顔を目にしたら、わだかまりがスッと消えて心が落ち着く。
早く結婚したいと願ってくれる気持ちはうれしいし、思いは私も同じだ。