君は。
第一章 始まり
一. 始まり
4月10日
Side : 黒山 澪
「皆井 千歳です。1年間よろしくお願いします」
彼女が言葉を放った瞬間、春一番の風が吹いた。
桜の花びらが開けた窓から1枚俺の手元に迷い込む。
おもむろに顔を彼女の方へ向けたがカーテンの隙間から漏れた光が俺の目を掠め、しっかりと彼女のことを確認することは出来なかった。
入学式が中止になり、俺達は初の登校日を何事も無かったように過ごすこととなった。
4月10日
Side : 黒山 澪
「皆井 千歳です。1年間よろしくお願いします」
彼女が言葉を放った瞬間、春一番の風が吹いた。
桜の花びらが開けた窓から1枚俺の手元に迷い込む。
おもむろに顔を彼女の方へ向けたがカーテンの隙間から漏れた光が俺の目を掠め、しっかりと彼女のことを確認することは出来なかった。
入学式が中止になり、俺達は初の登校日を何事も無かったように過ごすこととなった。