一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
シャッシャッ
かよ子はいつになく真剣な眼差しで
キャンバスへと筆を走らせていた。
翼に自分の好きな絵を描いてほしいと
言われたときから
絵を描くこの時間が楽しくてたまらないのだ。
何時間も休むことも忘れて没頭してしまうくらいだ。
こんなに描いてて楽しいと思えるのは
いつぶりだろうか...
トントントン
「かよ子さん、こんにちは!」
かよ子が筆を止め、振り返った先には
昇琉がニッと嬉しそうに
開いたドアから顔を覗かせた。
「こ、こんにちは...」
昇琉は初めて会った日から
毎日、仕事の合間に顔を覗かせるようになった。
一応、翼からあの後で秘書課以外のものは
かよ子の仕事場へ立ち入らないようにと
全社員へ向けて通達をだしたらしいのだが...
昇琉だけはこっそりとかよ子に会いに来ていた。
「あ、あの...お仕事は大丈夫なんですか...?」
「大丈夫だよ♪今ひと息ついたところだしね♪」
「そ、そうですか...もし見つかったら
怒られてしまうかもしれませんよ...?」
「だってかよ子さんが会社に来るのは
半年間だけでしょ?一日だって惜しいよ」
「はあ...そうですか...」
毎回、この一連のやり取りのあと、
昇琉は決まってキャスター付きの椅子に座ると
ただかよ子が絵を描くところを
黙ってただじっと見つめるのだ。。
しかし、今日はいつもと少し様子が違った。
帰る間際に昇琉はドアの前で立ち止まると
急にかよ子の方へ勢いよく振り返った。
そして、ふぅっと息を吐くと
意を決したように口を開いた。
かよ子はいつになく真剣な眼差しで
キャンバスへと筆を走らせていた。
翼に自分の好きな絵を描いてほしいと
言われたときから
絵を描くこの時間が楽しくてたまらないのだ。
何時間も休むことも忘れて没頭してしまうくらいだ。
こんなに描いてて楽しいと思えるのは
いつぶりだろうか...
トントントン
「かよ子さん、こんにちは!」
かよ子が筆を止め、振り返った先には
昇琉がニッと嬉しそうに
開いたドアから顔を覗かせた。
「こ、こんにちは...」
昇琉は初めて会った日から
毎日、仕事の合間に顔を覗かせるようになった。
一応、翼からあの後で秘書課以外のものは
かよ子の仕事場へ立ち入らないようにと
全社員へ向けて通達をだしたらしいのだが...
昇琉だけはこっそりとかよ子に会いに来ていた。
「あ、あの...お仕事は大丈夫なんですか...?」
「大丈夫だよ♪今ひと息ついたところだしね♪」
「そ、そうですか...もし見つかったら
怒られてしまうかもしれませんよ...?」
「だってかよ子さんが会社に来るのは
半年間だけでしょ?一日だって惜しいよ」
「はあ...そうですか...」
毎回、この一連のやり取りのあと、
昇琉は決まってキャスター付きの椅子に座ると
ただかよ子が絵を描くところを
黙ってただじっと見つめるのだ。。
しかし、今日はいつもと少し様子が違った。
帰る間際に昇琉はドアの前で立ち止まると
急にかよ子の方へ勢いよく振り返った。
そして、ふぅっと息を吐くと
意を決したように口を開いた。