一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「かよ子さん!今日の夜は空いてますか?」


昇琉のいきなりの質問にかよ子は

ビックリして固まった。

空いているのか聞いてくるということは

何かのお誘いなのだろうか...


神崎さんも遅くまで仕事だろうし、

予定なんて全く入っていないのだけど...。


かよ子がチラッと昇琉に目を向けると

いつも余裕な態度の昇琉が

緊張した面持ちでじっとかよ子の返事を待っている。


「予定はないのですが...」


「本当ですか!

じゃあご飯でも一緒に食べにいきませんか?」


かよ子の言葉に昇琉の顔がパアッと明るくなった。


「あの、でも...二人というのは...」


かよ子は言いにくそうに口ごもる。


「じゃあ、二人でなければ良いということだよね!

僕の営業部から一人誘うから

かよ子さんといつも

ご飯を食べてる秘書課の松原さんと

四人で行くのはどうだろう?

かよ子さんの歓迎会も兼ねて!ねっ?」


「あの.....瑠花さんも急には困るでしょうし...」


たとえ、瑠花さんがいたとしても

あまりよく話したことのない男の人たちと

食事なんて気が重い...

こういう場合はどう断ればいいのかな...

かよ子は断る口実を頭をフル回転させて

必死に考えている。

言い訳を考えているかよ子に

昇琉はニッと微笑んだ。

「大丈夫!僕に任せて!

じゃあ、また場所と時間が分かり次第

内線で連絡するから♪」


「えっ?...あの...」

昇琉は嬉しそうに手をヒラヒラさせると

かよ子に断られる前に部屋から出て行った。

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