一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「ヨッシ!!」
昇瑠は廊下に出ると扉が閉まると同時に
嬉しさのあまり思わずガッツポーズをしていた。
「何か良いことでもありましたか?」
急に前方から声が聞こえてきて
昇琉はビクッと体を震わせた。
ガッツポーズをしたまま、
声をする方へ顔を向けると
そこには総司が立っていた。
「ここには秘書課以外、出入りしないようにと
社長から通達があったはずですが...?」
総司の眼鏡の奥の瞳がギロリと昇琉を見据えた。
「あー、そうでしたっけ?」
昇琉はばつが悪そうに頭を掻いた。
「あまり彼女の仕事の邪魔をしないでいただきたい」
「邪魔なんてしてないですよ♪
ただ彼女の歓迎会をしようとお誘いしただけです」
「そのお誘いに下心は?」
「下心は...ぶっちゃけあります...
けど、中途半端な気持ちじゃなく本気なので!
それじゃあ失礼します♪」
昇琉はニッと笑顔を向けると
総司の横をすり抜けて行った。
「それは困りましたね...」
総司はボソッと呟くとかよ子の仕事部屋のドアを
トントンとノックした。