一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「お疲れ様です。遅くなってごめんね。」
昇琉がすまなそうに両手を合わせて微笑んだ。
「お疲れさまです!
私たちも今、来たところなので大丈夫ですよ!
どうぞ掛けてください」
緊張しているとは言っても流石、秘書だ。
緊張感を微塵も感じさせない極上スマイルの瑠花に
かよ子がほぉーっと関心していると
かよ子の前に昇琉が腰をおろした。
「かよ子さん、お疲れ様です!」
「お、お疲れ様です...」
再びかよ子に緊張が走り、
ピンッと背筋を張って身を固くした。
「かよ子さんはこいつとは初めてだよね?
俺の同期で足立勝っていうんだ!」
「初めまして。足立勝(あだちまさる)です。
かよ子さんの話は常々、昇琉から聞いてるよ」
足立はニヤリと昇琉に目を向けると
昇琉はばつが悪そうに目を反らした。
可愛いらしい顔立ちの昇琉とは対照的に
勝は堀の深い顔立ちに黒髪に短髪の
ワイルドな雰囲気をかもし出した男性だ。
「は、初めまして...杉崎かよ子です」
かよ子は恥ずかしそうに頭を下げた。
「かよ子さん、噂通りの綺麗な人だよね♪
瑠花ちゃんも可愛いし今日は来て良かったな♪」
勝の言葉に瑠花は嬉しそうに頬を染め、
かよ子はどう返答してよいか分からず
困惑した表情を浮かべている。
「勝!あんまりかよ子さんを困らせるなよ!
二人とも飲むもの決めた?
俺達は最初は決まってビールなんだけど」
昇琉は向かいに座るかよ子と瑠花に
メニュー表を差し出した。