一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
コース料理の最後のデザートと飲み物が
すべて出揃ったときには
瑠花はコクリコクリと船をこいでいた。
「瑠花さん!瑠花さん!」
かよ子が瑠花の肩を揺するが
瑠花はいっこうに起きる気配はない。
「瑠花さんどうしましょう...」
「かよ子さん大丈夫だよ。
瑠花ちゃんは俺が責任もって送り届けるから」
困った様子のかよ子に勝は自分の胸を
トンッと叩いてみせた。
「お前、瑠花さんに手出すなよ」
昇琉は勝に疑いの目を向けている。
「ハハッさすがに俺も寝てる子を
襲うような真似はしないよ」
勝は降参をするように両手を軽く上に挙げてみせた。
かよ子は二人のやり取りをキョトンと見つめながら
チラッと腕時計を見てみるとすでに
23時を過ぎていた。
結構遅い時間になってしまったけど
神崎さんはもう家に帰ってるのかな...
かよ子は持っていたカフェオレが入ったグラスに
口をつけた。
このカフェオレなんだか苦いな...
かよ子は残り少ないカフェオレのグラスを
見つめていると
なんだか急に身体中がポカポカするのを感じた。
「かよ子さん大丈夫?
顔が真っ赤だよ?」
「えっ?」
昇琉のビックリした様子に
かよ子は思わずパッと頬に手を当てる。
そして、自分の腕を見て息を飲んだ。